医療過誤訴訟で患者側が勝訴するのは非常に難しいと言われています。どうして患者側の勝訴は少ないのでしょうか。それには2つの理由があります。
1つ目の理由は、過失の立証が非常に困難であるということです。医療の現場、特に手術室は密室空間であるといえます。そのため外部の人間が、詳しくその状態を知るのには非常に時間がかかります。時間の経過とともに証拠が失われてしまうケースも少なくありません。また十分な情報を得られたとしても、医療の対応に間違いがあったことを証明するのは難しいです。非常に高度な専門知識が必要になるからです。情報収集の困難さと専門知識の欠如が大きなハードルとなって立ちふさがることがよくあります。
患者側の勝訴が少ない2つ目の理由は、示談になってしまい訴訟に至らないケースが多いことです。患者側に訴える意思があっても、いきなり裁判で争うケースはほとんどありません。患者の弁護士は最初に病院側と接触して、いろいろな話をします。その中で病院側が自分たちに非があると感じれば、示談を提案してくることが少なくないのです。弁護士は病院の過失を立証するのが困難であることを知っているため、患者側にその示談を受け入れることを推奨するのが一般的です。患者側も多くの場合は、勝率の少ない裁判を行って時間と裁判費用を無駄にはしたくありません。そのため、病院が提示する示談金を受け取ることによって和解するのが一般的になっています。