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医療過誤ってなぜ起こるの?

医療過誤というのは度々起こってしまうものですが、なぜ起こってしまうのかというと人間が作業を行う以上はどうしてもヒューマンエラーが発生してしまうからです。
もちろん、そのようなことが起こらないように医療機関では何重にもミスを防ぐためのシステムを作っていますが、それでも人間である以上ミスは発生します。
極力ミスが起こらないシステムであったとしても、それを守らなければミスの原因となってしまいますし中にはそれをすり抜けてしまうということもあります。
何重にもミスが起こらないようにしているシステムであったとしても、偶然の積み重ねでミスを見落としてしまって大きな医療過誤につながるということは珍しくありません。
システムに頼り切ると今度は何人もの確認をしたから大丈夫だという気持ちが生まれてしまって、それが原因で医療過誤が起こるということもありえます。
医療機関では日々何人もの患者を少ない人数で見て回っているわけですから、ミスなく完璧になんでも対応をするというのは簡単なものではありません。
人間はどのようなときであってもミスをしてしまうものですし、忙しかったり疲れているときなどには判断力が低下しましから余計にミスは起こりやすくなってしまいます。

医療過誤が起きる原因としては決められたルールを守らなかった、単純な不注意から来るミス、疲れや忙しさから来る集中力の低下によって起こるものと言ったものが挙げられ、これらは減らすことはできてもゼロにするのは困難なものです。

歯医者で多い医療ミスってなにがあるの?

医療ミスというと病院の外科手術で起こるものというイメージがありますが、歯医者での医療ミスも少なくないのが現実です。虫歯治療や抜歯に麻酔は度々使用されますが、その麻酔による医療ミスが問題視されています。過去には親知らずを抜歯する際に行った麻酔によって、患者が呼吸困難に陥り、その後死亡をしたという痛ましい事例もあります。死亡にまで至るというのは稀なケースだとしても、虫歯の治療で麻酔をしたところ、1週間が経過してもしびれが消えずに悩まされているということは珍しいことではないようです。患者が不安に思い歯科医に相談をしても、親身になって話を聞いてもらえず、不安をあおられるだけで不愉快な思いをさせられたというケースも存在しています。歯科医に限らず、全ての患者は医師を信頼し、安心して治療が受けられることを願っています。そのためには、治療の前の丁寧なカウンセリングが必要不可欠になるでしょう。自分にはどのような治療が必要なのか、実際にどう治療してもらうのか、その際にデメリットはあるのか、事前に患者が知っておくことで医師との信頼関係は築けるものです。歯医者の麻酔というとごく少量だと安易に考えがちですが、麻酔を打つ場所を誤ってしまうことがないとは言い切れません。技術面だけでなく、治療の方針を明確に説明してくれる歯科医が本当に良い歯科医だと判断する材料でもあります。コミュニケーションを面倒がらずに、真正面から患者と向き合ってくれる歯科医を見つけましょう。

インフォームド・コンセント、ちゃんとありましたか?

手術を受ける際や、危険を伴う検査を行う際、入院治療を受ける際には必ず医師は患者さんに、インフォード・コンセントを行う必要があります。

インフォード・コンセントは説明と同意と言う意味です。
医師は患者さんやそのご家族に、診断された病気がどのような病気なのか、なぜ手術や検査や入院が必要なのか、現在患者さんがどのような状況に置かれているのか、どのような問題点があるのか等、説明の義務があります。

そして手術や検査の際は、起こりうる合併症やリスクに関しても、情報を提供して説明する必要があります。
治療法がいくつかある場合は、可能な治療法を説明して患者さんが選択できるように説明する義務があります。

患者さんやそのご家族が、「医療ミスの可能性もあるかも」という疑惑を抱く場合、このインフォード・コンセントが不十分だったというケースが多いです。

インフォード・コンセントをしっかりと行うことで、患者さんやそのご家族は担当医への信頼感が強まります。

一昔前は「医師にお任せ」の時代でしたが、今はできる限りの情報を医師が患者さんに提供して、患者さんが治療法を選ぶ時代です。

しかし、インフォード・コンセントは非常に時間がかかります。これによって医師の仕事量は大幅に増えました。

患者さんの中には、腎臓が2つあることも知らなかった人や、盲腸が左にあると思っていたという人もいます。そんな人たちにも1から説明しなくてはなりません。

せめて中学校の理科の本に書いてあることくらいは知っておいてほしい、自分の体なんだから、自分の病気に関する本の1冊くらいは読んでおいて欲しいというのが、医療者側の本音です。

医療過誤訴訟はなぜ難しいと言われているの?

医療過誤訴訟で患者側が勝訴するのは非常に難しいと言われています。どうして患者側の勝訴は少ないのでしょうか。それには2つの理由があります。
1つ目の理由は、過失の立証が非常に困難であるということです。医療の現場、特に手術室は密室空間であるといえます。そのため外部の人間が、詳しくその状態を知るのには非常に時間がかかります。時間の経過とともに証拠が失われてしまうケースも少なくありません。また十分な情報を得られたとしても、医療の対応に間違いがあったことを証明するのは難しいです。非常に高度な専門知識が必要になるからです。情報収集の困難さと専門知識の欠如が大きなハードルとなって立ちふさがることがよくあります。
患者側の勝訴が少ない2つ目の理由は、示談になってしまい訴訟に至らないケースが多いことです。患者側に訴える意思があっても、いきなり裁判で争うケースはほとんどありません。患者の弁護士は最初に病院側と接触して、いろいろな話をします。その中で病院側が自分たちに非があると感じれば、示談を提案してくることが少なくないのです。弁護士は病院の過失を立証するのが困難であることを知っているため、患者側にその示談を受け入れることを推奨するのが一般的です。患者側も多くの場合は、勝率の少ない裁判を行って時間と裁判費用を無駄にはしたくありません。そのため、病院が提示する示談金を受け取ることによって和解するのが一般的になっています。

増え続ける医療ミス

増え続ける医療ミスの原因として医師の知識不足と、現場の人数が足りないということがあげられます。医師もマニュアル通りに動いたり、研究が少なく本や参考書の知識だけをあてにして医療行為をしてしまっているようなことがあるでしょう。また、医療機関というのは手術や入院患者もいるような施設であれば夜の勤務も必要になってきます。こうした時に人が少ないと医療ミスにもつながります。医師や看護師自身も疲れていることから、適切な処置ができなくなっているようなこともあるでしょう。ですから増加の理由として医師の勉強不足や過酷な労働、必要な人材が足りていないということがあるでしょう。適切な医療を行うには何人もの人数で連携をとって確認していく必要もありますし、それができないのであれば患者側に最適な医療を提供することもできないでしょう。また、医療を行うのに適切な医療機器が揃っていないということもあります。寄付金などが多い私立の病院であれば良いですが、公立の病院であれば市町村の税金が少ないがために十分な医療機器をそろえられないということもあるものです。医療機器は満足な医療を提供するために必要なものですから、そういった機器が揃っていないところほど医療ミスも多くなってしまうでしょう。国や市が運営しているところほど財政難に苦しんでいる医療機関も多いので、そうした背景がミスの増加につながってしまっているというとがあるでしょう。

世界での医療ミスの実態

自ら犯した過ちのせいで最悪の場合には患者を死に至らしめてしまう事から医者達は医療ミスを恐れています。
しかしこの医療ミスは現在のアメリカにおいて大きな問題とされており、世界の注目を浴びてしまう事になったのです。
これはアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が2015年に亡くなったアメリカ人の死因と死者数のトップ3の内訳を1位が心臓病で61万4348人、2位がガンで59万1699人、3位が呼吸器疾患で14万7101人であると発表した事に対して、ジョンズ・ホプキンズ大学医学部の研究者達が医療ミスが原因で亡くなった人数の方が呼吸器疾患よりも遥かに多いのではないか?と指摘した事が全ての始まりでした。
当初アメリカ政府は死因の統計に使用している国際疾病分類の中に医療ミスによる死亡という分類が存在しないという事からこの指摘を認知しなかったのですが、この対応に対して2013年以降の政府のデータと病院の入院率を比較したデータをジョンズ・ホプキンズ大学医学部の研究者達が提出した事から事態は一変します。
何とこのデータを比較した結果、1年間に約25万人もの人々が医療ミスによって死亡しているという事が判明する事になったのです。
この事からアメリカでは医療ミスでの死因が3位であると認知されたのですが、医療ミスの死亡者25万人という人数は前述した呼吸器疾患の死亡人数である14万7101人を遥かに越える人数となっています。
この為、現在アメリカでは医療ミスを防ぐ為の監視システム等の導入を薦める声が挙がっているのです。

医療ミスの再発防止策って

近年、医療機関における医療ミスの報道に触れる機会が増えています。再発を防止するにはどうしたらよいのでしょうか?
医療の分野に限らず、ミスを防ぐためにはその原因を検証することが不可欠です。そのためにはミスがどのようにして起きたのか、詳細な情報が必要です。
公益財団法人日本医療機能評価機構が2004年から取り組んでいる医療事故情報収集等事業など、再発防止のための取り組みが進んでいます。医療分野においてミスはあってはならないという意識から、情報を外部に公開することはためらわれがちですが、この医療事故情報収集事業では、情報を匿名で収集しデータベース化しています。事業に参加している医療機関はこのデータを医療ミスの再発防止に役立てることができます。
「服薬場面」を例にとると、患者を取り違えて他の人の薬を間違って飲ませてしまう医療ミスがあります。その防止策として、最近では患者さんとの本人確認が一般的になりました。しかし、収集された医療事故情報の中には、相手の苗字しか確認しなかったり、認知症により正しい返答ができない人だったなどの理由で起きてしまった医療ミスが報告されています。
この情報を元にした再発防止策として、薬にも氏名を印字する、患者さんに氏名の記載されたリストバンドをつけてもらうなどの方法が提案されています。
医療ミスはヒューマンエラーから起きることが非常に多いと考えられています。起きてしまった医療ミスを教訓に、何重にも予防策を張り巡らせることが、再発防止には欠かせません。

医療過誤訴訟ってだいたいどのくらいかかるものなの?

医師の診療行為を受けた結果、重い後遺症が残る、亡くなるという事があった場合、医療機関から説明がある場合があります。この医療機関からの説明に納得がいかないという場合、どのような事が起こったのかを知りたいという場合、医療行為にミスは無かったのかを知りたいという場合に起こすのが医療過誤訴訟です。医療過誤が明確であるという証拠がある場合には、刑事告訴をすることも出来ますが、そうではない場合には民事訴訟を選択せざるを得ません。民事訴訟は刑事告訴をに比べて審理期間が長いというイメージを持つ人も多いようですが、地方裁判所・簡易裁判所の一審で結論が出た場合の医療過誤訴訟の審理期間は平均的に25カ月程度と言われています。多くの場合は2年以内に結論が出ているということになります。
審理期間が以前に比べて短くなっている理由としては、鑑定の専門家の増員やいくつかの地方裁判所に医療集中部を新設したことなどが挙げられます。地方裁判所で結論が出なかった場合には、高等裁判所で争うことになりますが、この期間についても半年から1年程度かかる事が多いようです。
最終的な結論として、最も多いのが、和解です。ある調査では一審の半数が和解であるとも言われています。なお、医療過誤訴訟については、一般的な民事訴訟とは異なる特殊な事情があるとされています。そのため、争点が難しく、原告の勝訴率が非常に低いという特徴があると言われています。

医療ミス?予見できる?

高齢者がベッドから転倒する、夜トイレに行くために廊下を歩いていて転倒するなどと言った類の事例はどこの施設でも日常茶飯事に見られることです。

大半は大事に至ったり医療訴訟にまで進展することはありませんが、中には重篤なケガを負って訴訟にまで持ち込むケースもあります。

高齢者の場合、睡眠導入剤を飲んでいたり、安定剤を飲んでいてふらつくという事が大きな原因の1つです。

「夜中にトイレに行く場合は必ずナースコールをしてくださいね」と言っていても、遠慮からナースコールをしなかったり、認知機能が低下していて言われたことを忘れて一人でトイレは行って転倒した、というケースも少なくありません。

高齢者で転倒などのリスクがある場合、患者さんの安全を第一に考えて、夜中だけは拘束して勝手にベッドから出ないようにする施設もあります。
しかし、拘束を行うためには本人か家族の了承が必要ですし、承諾書を書いて貰っても後で「あれは人権侵害だ」と訴えられたケースもあり、医療者側や介護をする側も頭を悩ませているのが現実です。

夜間は2人~3人で50人を見ている施設も少なくありません。

また、「夜中だけ、誰か付き添って貰えませんか」とご家族に頼んでも、OKを貰えるケースは稀です。
「完全看護って書いてあるじゃないですか」、「家で介護できないから、ここに入居させているのです」などと逆切れされることが大半です。

このような医療事故を予見するためには、スタッフの夜の人手状況を知ることや、スタッフの年齢構成を見ることが大切です。
若手ばかりや年配者ばかりではなく、各年代バランスよくスタッフがいる所がベターです。

同姓同名患者への処置間違い

病院では色々な医療ミスなどのケアレスミスや日やりハットが発生しているのですが、その中でも特に多いと言われている医療ミスのひとつが同姓同名の患者への処置間違いや検査間違いなどの所謂取り違え問題です。これはどのような病院や診療科目でも多いとされており、検査などの場合は本人に確認するので間違っていたとしても直前で気づくということが多いのですが例えば薬を処方する・注射や点滴などの処置をする場合は最悪の場合は命に関わる危険性を伴ってきます。
ほとんどの場合は投薬などの方法を確認することなく本人だと思いこんで行ってしまうということが多く、未遂だった場合でも誰かが指摘をしなければそのまま行われていた可能性が高いとされています。このような同姓同名患者に対する処置間違いは非常に重大な過失であり、これも注意義務違反としてミスを起こした医療従事者などはある程度の処罰を受ける可能性があります。
現在医療機関ではこのような医療ミスを予防するために名前だけではなく投薬などの方法をしっかり確認する事を徹底しているほか、名前の確認の際も1人ではなく2人で行うなどのダブルチェックを遵守するように指導を行っています。それでもなかなか時間がなかったり慌しい中ではダブルチェックなどが抜けてしまうということも多く、同姓同名患者への処置間違いに関する報告が続いているため今後どのように予防していくのかというところが重要な課題とされています。